小規模だが大きな成功を収めている台湾文具メーカー
世界の文具業界では、台湾が製品の品質の高さと手ごろな値段によりグローバル市場の主要プレーヤーであることを否定する人はいません。
台湾文具産業の大きな成功は中小企業が担ってきた、というのは注意されてよいことだと思います。この島における数百の文具メーカーのうち、従業員200人以上の会社は20社しかありません。これらの中小企業は賃金コストの上昇圧力と外国企業との激しい競争に直面して、国際市場で活路を切り開くべく努力してきました。
多くの企業は競争力を維持するため、労働集約的な作業を海外に移しました。人件費節減、製品の品質向上を意味する自動化、CAD/CAM導入はどんどん進んでいます。多くの企業家は製品の革新性を強調する一方で、もうひとつのキーポイントとしてパッケージングデザインを挙げる場合が多く、製品ラインナップの充実がカギという人もいます。
アメリカは1997年における台湾製文具最大の輸出先であり、台湾から輸出された文具の33%はアメリカ向けであり、日本、香港、ヨーロッパが僅差でこれに続いています。将来的には、東欧、中国、インドの市場が大きく伸びてくるものと思われます。
1997年における台湾製文具の輸出額は7億220万ドルで、前年比1.4%減となっており、主な輸出品は筆記具、紙製品、プラスチック製文具、金属製文具、インクです。そのうち、筆記具がダントツで最大の割合を占めており、伸び率も最大で前年比4%増の3億3110万ドルと、全体の47%を占めています。これに次ぐのが紙製品で全体の30%を占め、輸出額は2億1240万ドル。三位は1億3210万ドルのプラスチック文具でした。
ここ数年、安定成長が続き、かなりの成長ポテンシャルが見込まれているとはいえ、台湾文具産業は大きな問題に直面しています。ひとつは業界をサポートする高品質部品産業が国内で不足している点です。たとえば、高品質の万年筆ペン先は国内で調達することができず、ドイツ、スイス、日本からの輸入に頼っているのが現状です。ペン先は万年筆の製造原価のかなりの部分を占めるので、台湾メーカーは輸入品に代わる国内の調達先開拓に熱心に取り組んでいます。もうひとつの問題は、独自の自社ブランド開発です。地元メーカーのほとんどが、いまだにOEM、ODM受注に大きく頼っているのが現状です。
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